コラム
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6歳未満の子どもの7人に1人に食物アレルギー症状
2016年8月25日
厚生労働省が公表した平成27年度乳幼児栄養調査によると、 6歳未満の子どもの7人に1人が食物アレルギーと思われる症状を起こした経験があり、 そのうち約1割は医療機関を受診していなかったことが明らかになりました。 この調査は厚労省が1985年度から10年ごとに実施しているもので、 無作為に選んだ全国1106地区の0~6歳児3871人分について 昨年9月に回答を得た結果です。 食物アレルギーについて尋ねたのは今回初めてです。 食事が原因と思われるアレルギー症状を起こしたことがある子どもは全体の14.8%で、 そのうち87.8%が医療機関を受診していましたが、11.2%は未受診でした。 受診しなかった保護者の対応としては、「母親など家族に相談した」(43.8%)や 「インターネットや雑誌で対処方法を探した」(25.0%)、 「友人や仲間に相談した」(18.8%)の順に多かったです。 さらに、原因と思われる食べ物の除去や制限をしたことがあるとの回答が23.6%あり、 そのうちで除去を医師の指示で行った者の割合は46.4%であり、 約4割は医師の指示ではなかったようです。 昨日メディアでも多く取り上げられていたので目にされた方も多いと思います。 私自身、この調査結果をみて 「6歳未満の7人に1人とは、食物アレルギーはさらに増えているのかな」と感じました。 今後、他の調査結果も注意してみていく必要があると思いました。 また、保護者の食物アレルギー症状を疑っても約1割の方が医療機関を受診しないこと、 原因と思われる食べ物の除去や制限の約4割が医師の判断ではなかったことを重く受け止めました。 子どもにとって、栄養はとても大事です。 食物アレルギーの対応の原則は「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去」です。 食物アレルギーの除去や制限について少しでも力になれるよう、 医療機関を頼っていただき現時点でベストの対応ができるよう、 もっとがんばらなければと思いました。